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新卒をなぜ採るのか。労働力を補充する目的ならば,他の手段(中途,契約・派遣社員,外注・・・)でも達せます。新興企業が新卒を採用する目的リット・デメリットを考えてみます。


■ 外部環境
社会的にはは,新卒を採用することができることは会社にとっての一つのステータスとみなされることが多いです。なぜなら,新卒を採用・教育するだけの企業規模・体力があり,かつ教育していける体制があると考えられているからです。もっとも実際にそう思っているというよりは,社交辞令とでも思っておけばいいと思います。
供給環境面では,参入している業界の離職・転職をする割合が低い場合,新卒採用が主たる労働力の獲得手段となります。とはいえ,人材が流動化してない業種は,国内に1・2社程度しかない寡占業界であることが多いです。そのような業界に新興企業が参入することは,まぁ考えなくてよいでしょう。
競合他社との面では,他社より質・規模ともに上回る採用を行うことができれば,競争に勝ち抜くことが容易になると考えられますね。ただし,一般的に新卒の戦力化には,それなりに時間がかかります。よって,しばらく新卒の方々が利益を生まなくてもやってける会社さんにとって,新卒採用は上等な戦力を確保する手段ということはでき来ます。では,企業としての体力がない場合は新卒採用をしないのでしょうか。そんなことはありません。例外的に新卒が即戦力となり得る企業があります。それは大部分の社員は全員テレアポ・突撃営業の要員であるようなバリバリの営業会社とかです。ただし,この場合そもそも新卒でも中途でもなく頭数があればいいような会社なので,新卒採用という枠組みで考える必要がありませんね。


■ 内部環境
財務面では,新卒なぞただの負担です。
商品・サービス面では,採用を仕入れとみなす業界では,新卒採用は重要な意味をもちます。おおよそのサービス産業では,サービス提供人数がその会社の売上の最大値を決めます。よって,新卒採用は売上最大化に向けた営業施策になります。また仕入れとみなした場合,新卒は正社員採用をする中ではもっとも固定費が抑えられた存在のため,在庫リスクを軽減させる(要は売れなかった時の損失が少ない)存在です。もっとも,スキルが他のサービス提供者より劣ると考えると,在庫になるリスクは高いのですが。
組織の学習・成長という面では,新卒採用は重要な意味を持ちます。本当かどうかは疑わしいのですが,一般的に新卒採用の生え抜き社員というのは,中途入社の者と比べて会社へのロイヤリティが高いと言われています。


上記の外部環境や内部環境的なメリット・デメリットは教科書的なものと一般的に働いていれば耳に入ってくるような内容でしょう。では,実際新興企業でありがちな新卒採用のケースを考えてみます。



■ ケース1:ババを掴みにいく
起業をすると,調子のいい会社であれば4・5年目くらいには経営も安定しだして社員数も20名位いる会社も結構多いものです。この頃になると,オーナー社長が地元に錦を飾る的なノリで地元に凱旋します。要はチヤホヤされたいだけなのですが,このタイミングが実は新卒採用が始まる一つの契機だったりするのです。
地元に戻ると,親戚の●△君を雇ってくれないか,などの陳情が行われます。ここで,誰が考えても明らかな「売れ残り≠優秀な若者」という関係が見えてくるのですが,地元への凱旋をして見栄を張りたい社長の気持ちがまさかの採用を成立させてしまうのです。
これは,採用された方も,押し付けられる現場の社員も不幸になるパターンです。


■ ケース2:ひたすら売上最大化を目指す
内部環境面での項目でも書きましたが,売上を増やす目的としての新卒採用です。この場合,兵站線(採用工数・教育工数・管理工数)については一切考慮しない場合が多いです。年に一度の仕入れの祭典として,新卒採用を行います。「ベンチャー!」「急成長!」「無借金経営!」など装飾された言葉のオンパレードで人を惹きつけるのが特徴でしょうか。社員数に見合わない人数を大量に採用します。個人的には「彼らの教育はどうするんですか?」と聞いて,現場での新卒と職歴が一定以上の人数の比率がある程度ないと面倒みきれないですよ,という話をしたときに「それは,面倒を見る場合でしょ?」と切り返された経験があります。まぁ,これから業界でのし上がろうかという会社において,そんなことの1つや2つでは驚いてはいけません。


■ ケース3:アルバイトの高学歴狙い撃ち
どうせ,新興企業が採用を正攻法でしかけてもまともな人材は取れないので,アルバイトを募集して優秀な大学生を確保し,数年かけて口説いていくという方法です。特にWeb系の会社では,この手法をとっている会社は多いと思われます。ただし,この場合は採用する会社にいる社員にも高学歴のアルバイトに負けないだけの経歴・能力が求められることが多いです。

■ ケース4:人材系の会社にその気にさせられた
ケース1に近いのですが,人材系の会社(主にリクナビの販売代理店など)に乗せられて採用を行うケースです。御社の文化を醸成する人材ですよ!などと言われてその気になってしまう会社さんとかも意外とあるんですよね。このようなケースでは,成長中の企業であればなんらかの仕事が入社時にはあるので困りませんが,そうでない場合,もともと目的なく採用を行ったので,入社後にたらい回しにされたりすることが多いです。考え用によっては,新卒の子の器量次第とも言えますが。



本題に戻します。それほどの企業としての体力に乏しい新興企業が新卒採用を行うにはおおまかに,次のような目的があることが多いです。

  • 売上最大化(サービス提供者の確保) 
  • 営業部隊の増強(テレアポ系など) 
  • なんとなく採用してみることにした

 

上記のような目的であるのならば,新卒採用なんてしないで,労働力確保は中途採用でもいいのではないか?と思われるかもしれません。新卒採用と比べた場合の中途採用の良し悪しについては次回に続きます。

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